土屋先生の噛めるはな歯（し）　vol.383

　Ｑ　むせることと、誤嚥（ごえん）との関係は？

　誤嚥とは、通常食道にいくべき食べ物や液体が誤って気管に入ってしまうことだと説明しました（10月25日号）。気管にとって異物であるものを外に出そうと体が反応し、むせとなって現れます。むせている間は非常に苦しいものですが、この「むせる」という防御反応が現れないほうが、むしろ恐ろしいのです。
　例えば、睡眠時の唾液の誤嚥や飲み込む機能の低下による「むせない誤嚥」もあります。こういった場合は本人でさえ誤嚥したという自覚がありません。このように本人も気付かぬまま誤嚥してしまうことを「不顕性誤嚥」といいます。
　むせるのは「誤嚥しているのに、むせない」よりは良いですが、「誤嚥なく、むせない」ことが一番。そのためには、お口の機能を維持・向上する「嚥下体操」を行うことが重要です。
　次回は、食事の前に行う「嚥下体操」についてお話しします。

　

　
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※このコラムは、私たちの大切な歯について、土屋歯科医院理事長・土屋浩昭先生に伺っています。毎月2回掲載。（「リビングふくやま」2024年12月6日号掲載）