足にボコボコ浮き出た血管について

Ｑ　足の血管がボコボコ浮き出てきましたが、病気でしょうか。

　Ａ　「下肢静脈瘤」といって、足の静脈がコブ（瘤）のように膨らんでくる病気だと思われます。

Ｑ　どうして膨れるのでしょうか。原因は？

Ａ　足に静脈血がうっ滞するためで、足の静脈にある逆流を防ぐ弁が壊れることが原因です。心臓から足に送り出された血液は酸素や栄養分を豊富に含んだ新鮮な血液ですが、足の細胞も酸素や栄養分を使って生きており、使った後の老廃物が古い血液すなわち静脈血として心臓に戻っていきます。しかし、足から胸にある心臓に戻るには、下から上に昇っていかなければなりません。この重力、引力に逆らって昇ることが非常に負担になり、人類が直立歩行を始めた太古の昔からある病気といわれています。

Ｑ　どんな症状が出てくるのですか。

Ａ　足がだるい、重い、むくむ、つる（こむら返り）、痛い、かゆい、湿疹が治らないなどが代表的ですが、さまざまな症状で患者さんは苦悩しておられます。

Ｑ　治りますか。

Ａ　下肢静脈瘤は治せる病気です。最近は治療に伴う心身の負担が軽い血管内治療（レーザーや高周波、瞬間接着剤等で逆流している静脈をふさぐ）が主流です。網目状やクモの巣状静脈瘤など細かい静脈瘤には、注射で治療する方法（硬化療法）が有効です。
　
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※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。（「リビングふくやま」2023年11月17日号掲載）