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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 鼠径ヘルニア
Q 鼠径(そけい)ヘルニアについて教えてください。
A 脱腸とも呼ばれており、鼠径部(足の付け根部分)の腹壁の隙間から、腸や大網(だいもう)など、本来ならおなかの中にある臓器が出てきてしまう病気です。
原因 原因には、先天的なものと後天的なものがあります。小児の鼠経ヘルニアは先天的なものが多く、成人では後天的原因が多くなります。40代以上の男性に多く、喘息などの肺疾患や喫煙者で咳をよくする人、力仕事、肥満や便秘になりやすい人などに好発します。また、大腿(だいたい)ヘルニアは出産経験の多い人にみられます
症状 鼠径部に膨らみができ、不快感や違和感、あるいは痛みを認めます。立位時には膨らみがあるのに、横になると内容物がおなかの中に戻るため膨らみがなくなるという症状は、鼠径ヘルニアの特徴の一つです
診断 多くは、問診と視診(目で見る)・触診(手で触って調べる)で診断可能ですが、初期の段階では不明瞭な場合もあり、また鼠経ヘルニアの種類や他の病気を鑑別するために、超音波検査も併用されます
治療 鼠径ヘルニアは自然治癒が期待できず、治療は手術が原則です
手術法 19世紀末頃から多くの手術方法が行われてきました。20世紀後半からは人工メッシュが使用されるようになり、テンションフリー(隙間をふさいだ部分に緊張がかからない)の術式が一般的になりました。内視鏡下手術も導入され、今後もなお新たな展開・進化の可能性があります
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2022年3月11日号掲載)
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