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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 便秘の薬について
Q 便秘の治療薬を服用するときに気を付ける点などがあれば、教えてください。
A 便秘のときに服用する下剤には、その作用機序によって、機械的下剤と刺激性下剤があります。
機械的下剤は、便に混ざって腸の中の水分を吸収しやすくすることで、便を軟らかくします。酸化マグネシウムは腸管からの吸収がほとんどなく、浸透圧作用によって便の水分を増やし、便を軟らかくするとともに便の量も増やします。便秘の程度や年齢に応じて服用する量を調整しやすい利点があり、よく使われています。気を付ける点は、長期間の服用により、高マグネシウム血症になることがあるため、血液検査をすることが必要です。
刺激性下剤は、文字通り、腸を刺激して排便を促します。大腸を刺激する下剤では、生薬のセンナが知られています。古くから使われており有効ですが、高度の便秘の時に服用すると、腹痛を起こすことがあるので注意が必要です。
坐剤は、直腸内で炭酸ガスを発生させて直腸内圧を高くし、直腸や直腸粘膜を刺激することにより排便を促進します。
また、最近、今までの便秘薬とは作用機序が違う、胆汁酸トランスポーター阻害剤が市販されました。胆汁酸とは、肝臓でつくられる消化液で、大腸の蠕動(ぜんどう)運動や粘液の分泌を促して、滑らかな便をつくる働きがあります。
便秘薬は、効果が出てもすぐにやめないで、朝食後等の排便が習慣になるまで続けることが大事です。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2021年11月12日号掲載)
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