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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 洗えば洗うほど良い…わけではない!?「温水洗浄便座症候群」について
Q 「温水洗浄便座症候群」について、教えていただけますか。
A わが国では温水洗浄便座が広く普及しています。温水洗浄便座があると、ボタンを押すだけで快適な一日が送れ、しかも、熱風で肛門を乾燥すると、トイレットペーパーで肛門を拭かなくて済みます。しかし、これらのことが「温水洗浄便座症候群」と呼ばれる、思いがけない現象を生じさせています。
肛門周囲の湿疹、肛門皮膚炎、肛門潰瘍、肛門狭窄(きょうさく)、直腸炎などが、温水洗浄便座の使用により増えていると指摘されています。
「洗えば洗うほど清潔になって良い」というわけではなく、洗い過ぎは皮脂膜を剥がし取ってしまったり、常在菌が洗い流されてしまい、生体のバリア機能が破綻してしまいます。それが慢性的な炎症や湿疹を引き起こし、痛みやかゆみの原因になります。
Q それでは、どのように使用するのが適切なのでしょうか。
A 温水温度は人肌程度。また季節に応じて好みの温度で使用してください。使用時間は短時間(10秒〜20秒ほど)で、水勢は、使い始めは「弱」から試し、あまり強い水勢は避けるようにすることが大切です。
高齢者では、肛門括約筋の筋力が落ちているので、肛門をきれいにしようと長く洗浄すればするほど、お湯が肛門内に入り、後で少しずつ漏れ出てきて、下着の汚れや肛門のべとつきの原因になるので、注意してください。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2021年7月9日号掲載)
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