下肢静脈瘤は自然に治りますか？

Ｑ：足の血管がボコボコ浮いてきて「下肢静脈瘤（かしじょうみゃくりゅう）」という病気かもしれません。放っておいて治ることはありますか。

　
　Ａ：　まれにあります。
　

Ｑ：どんな場合に自然に治りますか。

　Ａ：　静脈瘤の中に血栓（血の塊）ができ、静脈が詰まってしまった場合です。静脈が詰まると逆流もしなくなり、血栓が徐々に小さくなるにつれて静脈瘤自体も縮小し、そのうち消えてしまうことがあります。
　

Ｑ：血栓ができるのはどうしてですか。

　Ａ：　静脈瘤では、血液は瘤内によどみ、流れは非常に遅くなります。静脈の内側の壁（内膜）も常に高い圧を受けることで傷つき、血液がくっつきやすくなります。そのため静脈瘤内に血の塊、すなわち血栓ができます。時には、大伏在静脈が下肢全長にわたって血栓で詰まってしまうことさえあります。血栓のできた静脈はしこりとして触れ、さわると鈍痛があります。ただ、静脈瘤内にできた血栓に炎症が起こると（血栓性静脈炎）、静脈に沿って皮膚が赤くなり、悪化すると痛みが強く、歩けなくなることもあります。静脈瘤の症状として強い痛みがあるのは、この場合のみです。
　静脈瘤は病気で、血栓は静脈瘤の合併症であり、ほとんどの静脈瘤は自然に治ることなく進行していくので、早期に治療されることをお勧めします。
　
　
　
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※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。（「リビングふくやま」2020年10月9日号掲載）