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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 下肢静脈瘤の検査について
Q:下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)では、どんな検査をするのですか。
下肢静脈の図 A: 通常は、最初に超音波検査を行います。下肢の静脈には、深部静脈と表在静脈、および交通枝があります。深部静脈は筋膜下を走行し、表在静脈は皮下を走行します。この2つを結ぶのが交通枝です。下肢静脈瘤は表在静脈が瘤(こぶ)のように膨れて浮かび上がる症状が代表的で、一番多いのは伏在型静脈瘤というタイプです。
超音波検査では、足の付け根の大伏在静脈、膝の裏の小伏在静脈の根部(合流部)に逆流や拡張所見があるかを調べます。次にそれらの静脈をなぞっていき、深部静脈につながる交通枝に逆流がないかを調べます。逆流・拡張が著明な交通枝は治療が必要です。治療をする上で、最も大切なことは、深部静脈が血栓などで詰まっていないか、狭くなっていないかを確認することです。
深部静脈が詰まったために、バイパス路として血流が増えて拡張し、瘤のようになった表在静脈(二次性静脈瘤)をふさいでしまうと、血液が流れる血管がなくなるため、手術は禁忌となります。
超音波検査は痛みを伴わず、短時間で解剖学的診断・血流診断が可能です。特にカラードップラー法という超音波検査の出現後は、血液疾患の診断能力が非常に高くなり、適切な治療には欠くことができません。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2020年8月21日号掲載)
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