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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 下肢静脈瘤の硬化療法について
Q:下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)の硬化療法について教えてください。
A: 硬化療法は静脈の中に薬剤を注射して、薬剤の効果で静脈をふさぐ治療法です。具体的には、病気になった静脈に硬化剤と呼ばれる薬剤を注入し、薬剤の効果で静脈の壁、すなわち内膜を互いにくっ付けてしまったり、血栓(血の塊)によってふさぐ方法です。硬化剤は内膜をくっ付けるのりのような働きをします。血液が流れなくなった不用の静脈は、徐々に退化し、半年位で自然に吸収されてほとんど分からなくなっていきます。
硬化療法の歴史は古く、臨床で初めて行われたのは、1840年のことで、モンテギョという人が、無水アルコールを用いて行ったそうです。硬化療法に適した薬剤が開発されたのは、20世紀後半で、注射部位を上手に圧迫する方法が浸透してから、より有効な治療法として普及しました。
Q:どんな静脈瘤にもできますか。
A: 硬化療法に適しているのは、比較的軽症な網目状静脈瘤、側枝型静脈瘤やクモの巣状静脈瘤などです。その他、軽症の伏在型静脈瘤や手術後に再発した静脈瘤にも行われます。体への負担が軽く、麻酔も必要ない治療法なので、狭心症、心筋梗塞などの心臓病がある人やお年寄りにも適した治療法です。
硬化療法が適した網目状の静脈瘤
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TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2020年6月12日号掲載)
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