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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 下肢静脈瘤について教えてください
Q:下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)という言葉を最近よく聞くようになりましたが、昔はなかったのですか。
A: 昔からありました。人類が二足歩行で立って歩き出してからある病気とされ、古代エジプトのパピルスという紙(紀元前1550年頃)にも下肢静脈瘤の手術に関する記述が確認されています。下肢静脈瘤は欧米に多く、アジアでは少ないといわれますが、それでも日本では10人に1人くらい、下肢静脈瘤の患者さんがおられます。ただ、通常命にかかわる病気ではなく、日常生活にも大きな支障を来さないため、あまり病気として認識されていない時代が続きました。また、根本的な治療法が確立されたのが比較的最近であるため、医療者サイドの知識が不十分であったことも関係しているかと思います。つまり、下肢静脈瘤は病気であり、しかも安全にきちんと治せる病気であるという認識が最近になって定着してきたということです。
Q:静脈瘤を放っておくと脚を切断しなければならなくなることがありますか。
A: ありません。静脈瘤が進行して、皮膚が黒ずんだり、潰瘍ができたり、ひどくむくんだりした人は、将来足が腐って、切断しなければならなくなるのではないかと心配されることがありますが、そのようなことは決してありません。足が腐るか否かは動脈の血流の問題であり、静脈は直接関係ありません。
こぶのように膨らんだ静脈瘤
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TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2019年6月8日号掲載)
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