いぼ痔の注射治療

Ｑ：いぼ痔（じ）を注射で治す方法について教えてください。

Ａ：　いぼ痔の注射治療・ALTA注（ジオン注）は、40年前に中国で開発された“消痔霊”の添加剤の一部を変更して、日本で使用可能な添加剤を用いるとともに、安定性の向上を図り、12年前に保険適用となりました。以後急速に普及し、日本ですでに51万人に使用されており、学会でも内痔核の治療法としての評価は確立しています。
　

Ｑ：注射はどのようにするのですか。

Ａ：　手術台にうつ伏せになり、肛門の周りの3カ所に局所麻酔薬を注射して、肛門括約筋の緊張を軽くしたうえで、専用の肛門鏡を使って、腫れているいぼ痔に注射します。四段階注射法という特別に開発された方法で、1カ所の痔の膨らみを4つの部位に分けて、おのおのの部位に規定量の薬液を注入します。
　

Ｑ：痛みはありませんか？

Ａ：　内痔核の部分は、痛覚という、痛みを感じる感覚がないので、注射針を刺して薬液を注入しても、痛みは感じません。このことが、従来の手術に比較して、とても大きな利点の一つです。不安や緊張の強い方は、静脈麻酔で軽く眠っている間に行うこともできます。
　

Ｑ：誰でも受けられるのですか。

Ａ：　妊娠中、授乳中、透析を受けている方への投与は禁じられています。それ以外の方には、血液・尿検査等をして安全性を確認した上で投与します。注射は約10分で終わり、約1時間の経過観察後、帰宅となります。
　
　
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※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。（「リビングふくやま」2017年8月5日号掲載）