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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 下肢静脈瘤とエコノミークラス症候群
Q:下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とエコノミークラス症候群の関連について教えてください。
A: エコノミークラス症候群は、最近発生した大地震の際などにメデイアで大きく取り上げられました。震災のために車中泊を余儀なくされた方たちに発症した、突然の呼吸困難などです。狭い車の中で一晩中足を動かすことなく過ごすことは、飛行機のエコノミークラスの狭い席に座ることと同じ状況になります。足をほとんど動かすことのない状態が数時間以上続くと、下肢の静脈に血栓(血の固まり)が生じます。飛行機が着陸して座席から立ち上がり、歩き始めると血栓が足から心臓に流れ、さらに肺に到達して肺動脈をふさいで肺梗塞(肺血栓塞栓症)を起こす症候群です。突然意識を失い、命にかかわることもあります。
Q:予防法はありますか?
A: エコノミークラス症候群の予防法は、下肢静脈瘤の予防法ともいえます。乾燥した機内では脱水状態になりがちな上に、通路側の隣席の人に遠慮してトイレに行きづらいなどのため水分摂取を控え、脱水状態が増強します。そのため、ますます血液が凝縮して固まりやすくなるのです。
予防法は、機内でトイレに立ったりして、体を動かすこと。あるいは足を上げること。水をたくさん飲むことなどです。また、足を頻繁に動かしたり、弾性ストッキングを着用して搭乗するのも効果的です。
このようにエコノミークラス症候群も、下肢静脈瘤も静脈の疾患です。違いは、エコノミークラス症候群は、基本的に深部静脈血栓症に由来する疾患で、下肢静脈瘤は、表在静脈の病気です。
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山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2017年4月15日号掲載)
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