圧迫療法（弾性ストッキング）について

Ｑ：下肢静脈瘤（かしじょうみゃくりゅう）の治療法に圧迫療法というのがあると聞きました。

　
Ａ：　下肢静脈瘤の治療法で、最も簡単で安全なのは圧迫療法で、古代ギリシャ時代のヒポクラテスの記述もあります。
　

Ｑ：なぜ圧迫が良いのですか。

Ａ：　脚を包帯などで締め付けると血液の循環が悪くなり逆効果になるのではないか、という疑問もあると思います。確かに脚の一部分だけに包帯などを強く巻くと、それより末梢（しょう）の血流が悪くなります。しかし脚全体を適度な圧で圧迫すると静脈血の還流を助け、循環を良くします。特に静脈瘤の患者さんでは病的に拡張した静脈の中に血液がたまり、そのため脚が太くなっていますが、包帯やストッキングなどで、脚を適度に圧迫すると表在静脈での余分な血液の貯留が減り深部静脈の血流が改善します。従って、下肢の血液循環は正常化してむくみが取れ、脚も細くなります。
　

Ｑ：弾性ストッキングとはどんなものですか。

Ａ：　弾性ストッキングは、一般のストッキングに比べて圧迫力が強く、しかも足首から大腿（たい）部に向かって、上にいくほど圧が弱くなるように作られています。ハイソックス、パンストなどいろいろなタイプがあります。
　
　
　
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※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。（「リビングふくやま」2016年2月13日号掲載）