福山リビング新聞社が運営する女性のための生活情報サイト 福山のイベント・グルメ・エンタメ・お出かけ情報満載!
※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 土屋先生の噛めるはな歯(し) vol.164
Q:前回(9月12日号)に続き、お歯黒について。
A: 塚や墓から見つかった昔の女性のお歯黒の歯にはむし歯がほとんどないことなどから、むし歯予防効果に加え、進行を抑制し、知覚を鈍麻(どんま)させる作用があることが分かりました。
日本のお歯黒の材料は、タンニンが主成分の「ふし粉」と、酢酸第一鉄が主成分の「鉄奨水(かねみず)」と呼ぶ溶液。タンニンは歯のタンパク質に作用して細菌による溶解を防ぎ、第一鉄はリン酸カルシウムに作用して耐酸性を上げます。
さらに、空気で酸化されて生成された第二鉄はタンニンと結合してタンニン酸第二鉄の緻密な膜となり表面を覆い、細菌から歯を保護していたと考えられています。
1970(昭和45)年から使用されている「フッ化ジアミン銀製剤」は、お歯黒をヒントに開発されたもの。この薬の効果は非常に高いのですが、薬を塗った後は、お歯黒のように歯が黒くなることが最大の欠点です。
【この記事の問い合わせ】
土屋歯科医院 御船町1-12-6
TEL:084(931)5701
※このコラムは、私たちの大切な歯について、土屋歯科医院理事長・土屋浩昭先生に伺っています。毎月2回掲載。
(「リビングふくやま」2015年9月19日号掲載)
COPYRIGHT FUKUYAMA LIVING SHINBUNSHA ALL RIGHT RESERVED.