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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 女性の鼠径ヘルニアについて
Q:女性の鼠径(そけい)ヘルニアについて教えてください。
A: 鼠径ヘルニアの男女比は、5〜10対1で、男性に多いとされています。女性のヘルニアの症状は、鼠径部が膨らんでいるという点では同じですが、男性のようにひどく膨らむことは少ないのが特徴で、解剖的な違いによるものです。女性に特徴的に多いヘルニアは、大腿(たい)ヘルニアで、中年以降の経産婦によくみられますが、そのわけは女性の骨盤が大きく、大腿管が広いことと、分娩を繰り返すとこの部分の抵抗性が減弱するためと言われています。
鼠径ヘルニアは、鼠径靭帯(じんたい)の上(頭側)にあり、大腿ヘルニアは、鼠径靭帯の直下に半球状腫瘤(しゅりゅう)を触れるのが特徴的です。腫瘤の大きさは、クルミ大から鶏卵大と比較的小さく、また深部にあるため腫瘤が触れにくいこともあります。自覚症状があまりなく嵌頓(かんとん=出たまま引っこまなくなる状態)で初めて診断されることも多いのが特徴です。
鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアの区別が難しいこともありますが、現在の手術法は、どちらのヘルニアでも同じ方法で行うことが多いので、手術前に必ずしも厳密に区別する必要はありません。
ほかに、女性で鼠径部腫瘤を来す疾患では、子宮円策静脈瘤、円靭帯周囲の線維腫・筋腫、Nuck管水腫・嚢腫(のうしゅ)、脂肪腫、鼠径リンパ節炎などが挙げられます。
腹部と大腿の境が膨れた 「鼠径ヘルニア」
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TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2015年6月13日号掲載)
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