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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 肛門科受診のすすめ
Q:痔(じ)で悩んでいるけれど、肛(こう)門科の受診をためらっている方が多くいます。痔の治療などについて教えてください。
A: 日本人の3人に1人が“痔主”であるといわれていますが、「恥ずかしい」「怖い」といった思いが強く、症状がかなり悪化してからでないと肛門科を受診しない人が多いのが特徴です。
痔の三大症状は、出血、痛み、脱肛ですが、排便のたびに大量出血し、トイレで失神をする人もいます。極度の貧血にもかかわらず「医者にかかるのは、死んでも嫌」と、生命の危険にさらされながら生活しているわけです。ここまで深刻でなくても、痛みや脱肛は、日常生活の質を著しく害します。
痔は良性の病気です。そして痔の治療の多くは保存的治療(生活指導・排便の仕方・座薬など)で治せます。しかし、放置あるいは自己流の対応を続けていると悪化する危険性が高く、ある段階を過ぎると保存的治療では治らなくなります。
また、「痔ろう」を20年以上放っておくと、まれにがん化する(痔ろうがん)こともあります。 さらに、痔と似た症状の病気で、最も注意しなければならないのは、「大腸がん」です。日本でも増加しており、死亡率は、肺がん、胃がんに次いで3番目に多く、女性では死亡率のトップです。
大腸がんは早期に発見できれば、治る確率が高い病気。おしりに異変を感じたら肛門科を受診し、大腸がんなどの病気が潜んでいないかをチェックしましょう。
排便のたびに激しい痛みや出血に悩まされたり、排便そのものに支障を来す前に、早めに専門医の診察を受けることが大切です。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2013年12月14日号掲載)
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