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※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 痔ろう(あな痔)について〔2〕
Q:前回は、痔(じ)ろうの前段階ともいえる肛門周囲膿瘍(のうよう)についての話でしたが、今回は痔ろう(あな痔)の手術について教えてください。
A: 肛門周囲膿瘍で初めて切開排膿するときは、続けてすぐに痔ろうの手術は行いません。経過を見ながら手術が必要か否かを決めます。
初回の段階では、痔ろうを認めるものの過去に明らかな既往がなく、診察時に症状のないものは、経過を見ます。経過観察は、痔ろうが再燃(再発)する可能性があるために必要ですが、患者さんには、再発した時点で手術をしても遅くないことも説明します。
最初から手術が必要な症例は、腫脹(しゅちょう)や疼(とう)痛、ろう孔からの排膿が続いているか繰り返している場合です。
もう一つの手術適応は、悪性を否定できない次のような場合です。
【1】肛門管の深いところで炎症が広がり、直腸や肛門が狭くなっている【2】排膿していても痛みが続く【3】ろう孔からコロイド様の分泌物が認められる【4】発症から症状が持続して10年以上経過している─。こうした症例の場合は、「痔ろうがん」を強く疑い、診断を確定するために生検による病理組織診断を行わなければなりません。
しかし「痔ろうは放っておくとがんになる可能性があるから、すべて手術しなければいけない」といった認識は間違っています。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2013年10月12日号掲載)
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