福山リビング新聞社が運営する女性のための生活情報サイト 福山のイベント・グルメ・エンタメ・お出かけ情報満載!
※次回発行は12月27日号(ネット新聞は26日アップ)です 切らずに治すイボ痔の注射治療について
Q:イボ痔(じ)を切らずに治す方法があると聞いたのですが、どのような方法ですか。
A:イボ痔(内痔核)は、文字通りイボのように膨らんだ痔で、内痔核は歯状線(肛門と直腸の境目)の奥の毛細血管のネットワークが集まった膨らみの部分が腫れる病気です。
従来の注射治療には、パオスクレー(PAO)といって、フェノール・アルモンド油を成分とした薬液などが使用されてきました。PAOは特に出血に対して有効で、約80%に止血効果が認められます。治療に痛みを伴わず、1カ所の内痔核に1回の注射で済み、外来で比較的簡単に行うことができますが、半年〜1年しか効果は続かないとされています。また、内痔核の脱出(脱肛)には、ほとんど無効とされています。
PAOに対して、出血にも脱肛にも有効で、効果も長期間持続するALTAという薬剤が、日本で開発され、約7年前に発売されました。ALTAは、硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸を有効成分とした薬剤で、1カ所の内痔核に対して4段階に分けて注射します(4段階注射法)。特殊な注射手技が必要で、講習会を受けて学びます。従来の根治手術に匹敵する治療法として、現在までに約25万人がこの治療を受けています。入院することなく、外来で行うことができる利点もあります。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2012年7月14日号掲載)
COPYRIGHT FUKUYAMA LIVING SHINBUNSHA ALL RIGHT RESERVED.