土屋先生の噛めるはな歯（し）　vol.93

Ｑ：前回（9月8日号）に続き、通院が難しい方への訪問歯科診療について。

　
Ａ：在宅等で療養を行い、通院による歯科診療が難しい場合、往診での歯科診療（保険適応）が認められています。口腔ケアのほか、虫歯の治療や入れ歯の作製・調整などを居宅で行います。
　寝たきりで点滴や経鼻栄養などを施され、口から食事をしていなくても口の中に汚れはたまります。この状態で咳（せ）き込むことがうまくできなければ、誤って口腔内の汚れが肺に入り込み、誤嚥（ごえん）性肺炎が起こります。最近の調査結果では、要介護高齢者の死因の3割以上が肺炎で、口腔ケアなど歯科治療の介入が、誤嚥性肺炎の予防に効果があることが分かってきました。
　入れ歯の調整や虫歯の治療をすることでしっかり食事ができるようになれば、全身の栄養状態の改善につながります。
　通院できずお困りの場合、訪問歯科診療をしている歯科医院に相談されることをお勧めします。

【この記事の問い合わせ】
土屋歯科医院　御船町1-12-6
TEL：084（931）5701

※このコラムは、私たちの大切な歯について、土屋歯科医院理事長・土屋浩昭先生に伺っています。毎月2回掲載。（「リビングふくやま」2012年9月22日号掲載）