番外編「ムカデに刺されたときの対処法」
前回までは傷を潤して治す湿潤療法を紹介してきましたが、今回はちょっと寄り道をして、別の傷への水(お湯)を使った対処法をご紹介します。
梅雨時季から夏にかけて、ムカデに刺されたという方も多いのでは。赤く腫れ上がり、痛みも続きますが、実は5分で楽になる方法があります。
ムカデによる腫れは、毒が皮膚の表面に付着し、アレルギー反応や痛み刺激を引き起こすことによります。毒は蛋白(たんぱく)酵素なので、42度で失活(効力が無くなること)します。そこで、次の対処法を行います。
〔1〕トゲのような物が残っていたらピンセットか毛抜きで取り除く
〔2〕お湯でしっかり洗う(42度〜43度が望ましく、ヤケドしない程度に腫れた部分にかけ続ける)
〔3〕シャンプーやボディーソープ、石けん、食器用液体洗剤で、しっかり洗う(毒を洗い流す)
〔1〕の後、〔2〕・〔3〕を同時に5分以上行うと、痛みが楽になります(20分くらいするとより効果的)。逆に冷やすと痛みが強くなったり、腫れが引きにくくなったりします。〔2〕のお湯の温度がぬるめだと、逆効果です。ためたお湯だと途中で温度が下がるので、シャワーを使うこともポイントです。
※この対処法は、ほかの虫刺されに応用可能な場合もありますが、すべての虫刺されに有効ではありません。刺された後の急激な体調不良、嘔吐(おうと)・しびれ・激しい腫れなどが見られた場合は、急いで医療機関を受診してください。
【この記事の問い合わせ】
青葉台クリニック 福山市青葉台1-10-20
TEL:084(947)6565
※このコラムは、青葉台クリニック 院長・金子克彦先生
に伺っています。
(「リビングふくやま」2011年10月22日号掲載)