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■お知らせ 弊社発行の「リビングふくやま」は諸般の事情により今号で休刊となります。長い間ご愛読ありがとうございました。 鼠径ヘルニアを放置すると?
Q:鼠径(そけい)へルニアを放置するとどうなりますか。
A: 小児の鼠径ヘルニアの一部は、自然治癒することもありますが、成人の鼠径ヘルニアは、自然に治ることはありません。また、薬や安静などの保存療法でも治ることはなく、腹筋などの運動療法も無効です。鼠径ヘルニアを治すには、手術療法しかありません。 ヘルニアバンド(脱腸帯)による保存療法は古くから行われていますが、効果が不確実な上に、皮膚障害や精巣萎縮などを招く恐れもあり、極めて特殊な場合以外は、推奨されません。
鼠径ヘルニアは良性の病気ではありますが、放置すると飛び出した部分が元に戻らなくなる嵌頓(かんとん)状態に陥ることがあり、緊急手術が必要になる場合もあります。嵌頓が疑われる症状は、膨らみが戻らない、いつもより硬い、皮膚が赤くなっている、痛みがどんどん強くなる、吐き気や嘔吐(おうと)を伴う─などです。
嵌頓を放置すると、腸閉塞(へいそく)から腸の壊死(えし)、腸穿孔(せんこう)から敗血症と呼ばれる重篤な状態に進行し、命に関わることになります。鼠径ヘルニアの手術は、このような嵌頓から起こる最悪の事態を未然に防ぐために行うと言っても過言ではありません。最近では日帰り手術も可能となっており、時期を選び、早めに治療を受けられることをお勧めします。
【この記事の問い合わせ】
山本醫院 福山市引野町北2-8-28
TEL:084(943)2777
※このコラムは、山本醫院院長・山本裕先生に伺っています。
(「リビングふくやま」2016年6月11日号掲載)
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